WORKING MOTHER

ワーキングママ

筧 尚子

サラリーマン、ときどきママ

ワーキングママって言葉、私は使っちゃいけない、と最近思うんです。これからその道を歩む人にも、ぜひ覚悟してほしい(笑)。やっぱり仕事と家庭の両立は大変です。最初は「両立させなくちゃ!」と自分に言い聞かせてがんばってきましたが、なんとか最低限の体裁を整えるのがやっと。軽々しく“ワーキングマザー”なんて言えません。子どもたちにご飯を作りながら、片手で手帳を開き、PCとにらめっこしながら洗濯を回す……なんて、かなりハードな状況のときもある。洗濯物が溜まっても、もう最近はすっかり開き直ったとでも言う感じでしょうか。主人が子どもをよくみてくれるのが何よりもの救いです。

さて、私は産休を2度経験しています。第1子の時は29歳で産み、30歳でフルタイムの正社員として復帰。主人の親が子守りを引き受けてくれたことが幸いでした。当時は、まだ30歳になったばかり。バリバリ働きたいという気持ちも強く、仕事に割く時間の方が長くて家事に全力投球できていない状態でした。マネージャーのポストに任命していただいたこともあって、「仕事をがんばろう」と責任感もさらに強くなりました。正直、ビジネスマンが時々ママになっている感覚です。そんな矢先、引っ越すことが決まり、これまでのように子どもを預けられなくなったのです。マネージャーとしてもがんばりたい。でも、私が家に帰らなければ誰が子どもの面倒をみるんだ・・・。そんな状況になり、自分自身の働き方を見直すきっかけになりました。

フレキシブル勤務で培ったワザ

 

コピー

主人の親からのサポートが受けられなくなったことで、悩んだ挙げ句、私ははじめて「フレキシブル社員への変更」という選択をしました。お客様への応対もメンバーとの会話も、これまでのような時間の使い方はできない。短い時間のなかで本当にやっていけるんだろうか……。不安は大きかったものの、売上目標を少しだけ下げて「出来る範囲で頑張らせてください」と、上司とすり合わせしてフレキシブル勤務をスタートさせました。
それからというもの、実働時間は短くなりましたが、仕事に効率を求めるようになりました。おそらく、メールの返信と選択を迫られた時の判断は、アドバ1早いはずです(笑)。お客様からの電話はなるべく会社ではなく携帯にかけていただくようにする。会社を経由するだけで時間のロスですから。そして事務処理系は出勤時間に、お客様との連絡は「朝」にやりきる。夕方はどうしても母業のコアタイムなので、思うように動くことが出来ないんですよね。これも全て働く母のワザ。フルタイム勤務のときとハードさは変わりませんが、昔よりは子どもや家事と向き合えるようになった気がします。

2度の産休を経て変わった価値観

最初の復帰から3年が経った頃に第2子を妊娠、出産しました。実は、ちょうど第2子の妊娠中に東日本大震災があったこと、そして産後に体調を崩したことも相まって、子どもと過ごす時間の大切さを深く考えるきっかけがありました。同時に、上の子があまりの早さに大きく成長したことが嬉しくもあり、寂しさを覚えたのです。「私はこの子のママとしての義務を果たしてきたの? 私が働くことで本当はさみしい思いをして過ごしてきたのかも……」と。仕事と家庭の両立方法に明確な答えを求めることは困難です。悩みつつも、私は家庭の方へ比重をかける気持ちを固めました。
そんな心境の変化もあって、2度目の産休中は子どもと接する時間を楽しみ、地域のボランティア活動にも参加して、自分の住む街について学んだりするなど、今しかない休みを満喫しました。あれだけ仕事人間だった私が、2度目の復帰の時は「あー、この時間がなくなっちゃうんだ」って惜しんでいたくらいです。

この仕事が好き、アドバが好き

大変な毎日のなか、なぜ仕事を続けるか。それには多分、2つの答えがあります。ひとつはこの仕事が好きだから。大きな商談を任されることも多く、お客さまもこちらに全力でぶつかってきてくださいます。ママだからといって、手加減はなし。公平なジャッジをくださり、「採用」という大きな仕事を任せていただける。私も「お客さまの力になりたい」とどんどん活力が芽生えます。
ふたつ目の答えはアドバが好きだからです。会社は働くママの背中を押してくれますし、上司や同僚の理解も得られます。正直、復帰すると会社や業界の状況が変わっているので、順応することにまずパワーを使ってしまうんです。そんな時、自然に手を差し伸べてくれたのは後輩でした。「ああ、先輩だからって肩肘貼ることないんだな」と今では遠慮なく甘えさせてもらっています。働くこと、ママでいること、どちらも自分らしく歩んでいきたいと思っています。

PRIVATE PHOTO
PRIVATE PHOTO 子どもは、いつも「ママだいすき」と書いた手紙をくれるんです。それを見ると、「子どもはやっぱりカワイイな」と再認識しちゃいます。私が働くことで寂しい想いをさせているのかな……と悩むときもありますが、こうして元気に成長してくれている姿をみて、逆に元気をもらう私です。